「白と黒」の世界に魅入られて・・・

Go-Pianist Shunsuke Tsuruoka

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Shunsuke Tsuruoka

2022年度 埼玉名人戦を振り返る

Date: 2023-03-17

 ※この記事をより一層楽しめる(?)ように、まずはこちら→(リンク)で予習をどうぞ。

 去年12月4日(日)と11日(日)に行われた、埼玉名人戦をざっくり振り返ってみました。

 先のアマ本での惨敗(その様子はこちら→リンクからどうぞ)からというもの、初の名古屋遠征ではそれなりの戦果を得たものの指扇研究会では相変わらず負けまくったり野狐囲碁は7段で連勝連敗を繰り返すなど、いまいち振るわない日々を過ごしました。しかし無情にも大会はそんな自分のことなど待ってはくれません。寒さを薄々と感じつつあった12月4日、ヨレヨレの気力をなんとか振り絞り、おなじみ川口ふれあい館に突撃しました。なお、この棋戦で自分は前回大会ベスト8によるシード権を得ており、今回は「午後1時半」会場入り重役出勤でございました(←重要)。
 会場入りした時にはまだ予選2局目の真っただ中で会場内は緊張感が漲っていました。ざっと見た感じ予選参加人数は20人ぐらいと前回よりさらに少なくなっていて、県内独自の、いわゆる「上につながらない」当棋戦はいよいよ本格的に「大会存続の危機」の領域に入りつつある感じですが、若くて強い人は参加してそうでない人は大会から去ったというだけで、競争の激しさは前回以上という魔界ぶりでした。その中から2日目に進めるのは8人。予選敗者復活は2、3人だけ(うろ覚え)という実質単純トーナメントでした。
 自分は今大会では予選免除、本戦1回戦からの参加でした。朝ゆっくりできるのはうれしいんですが、本戦からは単純トーナメントになることから、1回戦で負けたらたった1局のためだけに参加費を払うことになるじゃないか、などとホントしょうもないことが頭をよぎり、結構不安になるものなんです(殴)。とにかく1回で負けることだけは避けたいという思いから、そして本戦1回戦でベスト8が決まる重要な一戦(すなわち本戦1回戦が次期シード権者決定戦となる)ということから、組み合わせの「くじ」を引く時には思わず力が入ってしまいました。何せ今回は人数の関係でシード権者でも予選2勝者の猛者と当たる確率のほうが高かったので・・・。で、どうだったかというと・・・

 

 本戦1回戦の相手は指扇にて普段から対局しているK・Lさんでした。K・Lさんは埼玉県内各地の大会で優勝、入賞を重ねている売り出し中の有望株で、私はこの方には2年前に4つ置かせて2、3目勝ったことがあるんですがその後急速に強くなっていて、まだ自分の方が若干分がいいんじゃないかとは思っているんだけども直近ではなんと互先で自分が負かされました。そんなこともあって対局前は不安しかありませんでした。

 白が自分で、上の図まで左上でお互い差し手争いをしているという状況。図の黒コスミツケに対し、

 利かせるもの利かしておこうと軽い気持ちで白1とハネ、黒は素直に黒2とオサエ、以降白27までと脱出して左辺の白もそこそこの形で生きて結果的にまあまあなワカレになりましたが、黒2で、

 黒2とハネ出されていたらギャアとなっていたところでした。図は一例ですが白4と頑張ろうとするのは黒5と被せられて大変苦しそう(というか試合終了)なので、

 白4から白4子を捨てるしかない感じですが、中央の黒と切り結んでいる白4子は「種石」でそれが取られるのはあまりに痛く、左辺の黒は脱出は簡単、白は左上の石が相変わらず弱い+将来的に黒に上辺に打ち込まれ上辺の白3子が攻撃対象になりうるなど、散々な結果となります。これは局後の検討である超強豪の方からの指摘で初めて気がつきました(汗)。なお、

「種石」の白4子が取られていない状況では、黒が仮に上辺に打ち込んだ場合、白3子が中央に逃げていく手が自然と打ち込んだ黒石と中央の黒を割いていく形になり、黒がよくないでしょう。

 黒は中央の補強をしに来ました。その過程で上辺は自然と白地になりました。黒5抜きはさすがにちょっと時期尚早だったような。もちろん気持ち悪いところではあるけど白としてもすぐにそこを逃げて行く手は自分も弱い石を自ら作りに行っている感があるので、まだ打つ段階ではないと思いました。白6(これも微妙な手)から右上の白模様がグググっと盛り上がってここで優勢を意識しました。なお上図白40以降の中央の折衝はこれでよかったのかどうかいまだによくわかりません。誰か教えて強い人。白から(白56で)黒1の一つ下に打って黒6子を取りにいく手があるものの取る手は後手なのでまだ早いと判断し中央に二間に飛びました。黒59の時、白は読みもせずにただただ左辺からの白一団が不安になって白60とこちらから右辺の黒に迫りましたが、ここでは

 白1とこちらから追うべきでしたね。攻めと地稼ぎを両立させてます。白の死活は黒4まで打たせてから考えればよかった。上図は一例ですがとても死ぬ石ではないでしょう。白60と一手かけて左辺からの白を補強したつもりでいたんですが、

 上図黒のこのノゾキに大いに悩まされることになりました。

 白1とかでごまかし、懸案である黒2からのハネダシには以下白29まで(一例)まで、攻め合いになっても白がやれたかもしれませんが、こんなのは切れ負けの碁ではとてもではないが読み切れないですね。優勢意識に支配されていたこともあり、

 実戦は予定変更して白1とハネて黒に下辺出切りを許してしまい下辺は黒地になってしまいました。何のためにとび下がりを打ったのか。ただ白7の割り込みに対し黒8はもう一声あったような気がしました。白9と要の黒石を先手で取り込めて(注1)ここでようやく当確ランプが灯ったように思います。(※このあたりの折衝はかなり複雑なのであとでじっくり検討して検討結果を改めてこのサイトにて発表しようと思います)

 先手を取って先述の黒6子を取る手(→リンク)に向かって盤面でも白がいいようです。最後まで打って白12目半勝ちでした。直近で負けている方に勝てて、また虎の子の埼玉名人戦シード権死守を果たせてうれしかったです。 (了)

※注1…投稿後に改めて図を見直してみると、白9取り込みは先手じゃないですね(殴)。黒が7の上からアテればいいんですね。そうだとすると中央は黒が先着して(→リンク)、だいぶ細かい形勢になりますね。だましてしまってすみません。。 2023/03/18

※2022年度埼玉名人戦の二日目については次回以降取り上げます。

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つるおか

囲碁と旅行をこよなく愛するピアニスト(通称'囲碁ピアニスト')の活動の記録をつづっていきます。詳しくは→こちらから。
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